やがて春が来るまでの、僕らの話。




未だカッシーは天井を見たまま、誰にでもなく言う。


「…目ぇ覚めたらみんないて、すんげーびびった。なんだこれって、夢かと思った。これ、夢の続きかなーって…」


カッシーがどんな夢を見ていたかなんて知らないのに。

続きってことは、俺たちみんなでいた夢を見てたのかなって。

そう思ったら、また泣きそうになった。


カッシーの声に、「夢じゃないよ」って返したのは南波くんだ。

何もなかったようないつも通りの柔らかい声が、きっと全員の胸に安堵を届けている。


「俺たち、カッシーが好きだからいるんだよ」

「……」

「みんな、カッシーに生きててほしいから来たんだよ」

「……」

「カッシー」



柔らかいのに強い南波くんの声が、ひと言、カッシーを呼んだあと。



「生きろ」

「、…」



真面目な顔して天井と睨めっこしてるカッシーの目から、

涙が落ちた……