やがて春が来るまでの、僕らの話。




集まったカッシー家のリビングで、みんなが座る。

起きたらこいつ、俺たちを見てどんな顔をするんだろう。


驚くのか、鬱陶しがるのか。

それとも喜んでくれるのか。


わかんないけど、俺たちはただそのときをただじっと待っていた……



「…バカねぇ、ヒデト」


ポツリと、みっちゃんが言う。


「焦らなくたって、いつかみんな死ぬのに…」

「……」

「…ほんとバカ」


ハンカチで涙を拭うみっちゃんが、スッと立ち上がって。


「バカだから、寝てる間にチューしてやろうかしらぁ~」

「お!まじか!してまえしてまえ!」


重い空気だったのに、みっちゃんと南波くんのせいでなにかが変わった。

いいことなのか、悪いことなのか、俺にその判断はつかないけど……


部屋の空気が、確かに変わった。



「多分、だけど」

「なーにぃ、若瀬くん」

「今カッシーに触ったら、みっちゃんあとで刺されるよ、カッシーに」

「やぁ~~ん、愛する人に刺されるなら本望だわぁ~」

「すげぇ、みっちゃんの愛は本物だね!」


会話が徐々に増えてきて、空気は明るく染まってく。

窓から見える空からは、太陽が眩しく照らしてて、夏の雲が流れている。