やがて春が来るまでの、僕らの話。




「大丈夫、こんくらいの量じゃ死なないよ」

「、」

「睡眠薬とアルコールが一緒になって、作用が強く出すぎてるだけ」

「じゃあ」

「薬が切れたら、目を覚ます」

「…ほんと?」

「うん、大丈夫」



その言葉に、ハナエちゃんは安心したように肩の力を抜いて涙を流した。


「、よかった、…柏木くん、死ななくて…」

「……」

「、…ッ、…よかった、…」



ポロポロと、真っ赤な目からこぼれる涙。



「うん、よかった…」




全然、よくない。


だって俺は、なにも知らなかったから。


また俺は、気づいてもやれなかったから。


カッシーが睡眠薬を飲んでいたなんて。


薬を飲まなきゃ眠れない体になっていたなんて。


いつからなのか。


もしかしたらもう何年間も、あいつはこんな毎日を繰り返していたのかもしれない



俺はまた、


なにも気づけなかったんだ……