やがて春が来るまでの、僕らの話。




「律くん、…これ」


ハナエちゃんが指差したのは、テーブルの上。

そこに缶と一緒に散らばるのは、銀色の薬の空が6個。


隣にきたハナエちゃんが、また俺の服をぎゅっと握った。

そこから伝わってくるのは、彼女の震えだ。



「…睡眠薬」

「え?」

「こいつ、睡眠薬とアルコール一緒に飲んだんだ。しかもこの量」



陽菜も飲んでいたから覚えてる。

絶対に1錠しか飲んではいけないはずの睡眠薬と、一緒に飲んではいけない決まりのアルコール。

それなのにこの量を、アルコールと同時に飲んだんだ。

だから錯乱状態になって、ハナエちゃんに電話してきたってこと。



「、」



でも……錯乱した頭の中で電話して、その状況でカッシーが言っていた言葉。


それはきっと、カッシーの本心。



カッシーは本当に、死にたかったんだ……



「どうなっちゃうの?柏木くん、死んじゃうの…?」


細く震える声で、ハナエちゃんが俺を見ている。