やがて春が来るまでの、僕らの話。




「なに、どした?」

『柏木くんが、どうしよ、電話、きて、…、ッ、…』



泣いていて、全然、話の内容が見えてこない。

だけどカッシーがって繰り返すその声に、あいつになにかがあったことがわかってベッドから立ち上がった。


「落ち着いて、カッシーがどした?」

『柏木くん、が、…ッ、…死んじゃ、う』

「、」



聞こえた声に、心臓が止まりそうになった……



『電話、きて、…ッ、…最後に会えて、よかった、って…』

「、」

『陽菜が、…ッ、呼んでるから、って、…』

「……、」

『どしよ、…律く、』

「ごめん、俺カッシー家行ってくるっ」


返事を聞かないで、その足で家を飛び出した。

携帯と車の鍵だけを握って、すぐに裏の駐車場に向かう。



心臓が、怖いくらいに嫌な音を立てている。


だってカッシーが死ぬって……



「…………嘘だろ」



乗り込んだ車を走らせて、いつもよりも速いスピードを出す。

赤になった信号にイラついて、たったの数十秒が永遠みたいに長く感じた。



「、…」



怖かった。

もしまた陽菜の時みたいなことが起きたらって、怖かった。


すげぇ怖くて、


かっこ悪いくらいに怖くて、


足がずっと震えてた……