やがて春が来るまでの、僕らの話。


【ハナエside】




「ごめんねむっち、私まで送ってもらっちゃって」


楽しそうに運転をするむっちの横顔に、助手席から視線を向ける。


「いいのいいの、いっぱい運転して早く車に慣れたいし」

「ちょっとむっち、美女を乗せてるんだから事故だけはやめてよね~」

「え、美女?私とハナエのこと?」

「やだぁ、私に決まってるでしょ~!」


後部座席から身を乗り出したみっちゃんに、私もむっちも大爆笑。



「ハナエの家、こっちで合ってる?」

「うん、合ってるよ」



初めてだった。

陽菜以外の女友達とこんな風に過ごすのは、この街に来てから初めてだった。




ねぇ陽菜。


やっぱり怒ってる?


女友達を作った私のこと、陽菜は怒ってる?


それでも私の親友は陽菜だって、勝手に思っていてもいいかな……