やがて春が来るまでの、僕らの話。


【ハナエside】




「……酔っ払い」

「そんなに荒れるくらい気になるなら、最初から阻止すればよかったじゃないねぇ」

「気になるって、なにが?」

「光男、余計なこと言ってんじゃねぇぞ」

「いやん、ヒデトってば足癖悪い!」


足でゲシゲシみっちゃんを蹴る柏木くんに、台所から戻ってきた律くんが水を渡した。

起き上がった柏木くんは、ゴクゴクと一気にそれを飲み干している。


「プッハー!生き返ったー!」


空になったコップをテーブルの上に置いて、柏木くんはもう1度その場に倒れ込んだ。


「どんだけ飲んだんだよ…。」

「浴びるように飲んだあと、家も教えてくれないし私の家は掃除してないから連れて行きたくないしで、仕方ないからここに連れて来ちゃったの…」


グッタリと横たわる柏木くんに、律くんは大きく息を吐いた。


「カッシー、寝るんならベッドで寝な」

「んー…」

「明日も仕事だろ?ちゃんと寝ろって」

「んー……」

「……」


律くんだって明日も仕事のくせに。

自分よりも相手のことを気にかける姿は、やっぱり昔と同じでみんなのお兄ちゃんみたい。