やがて春が来るまでの、僕らの話。




陽菜が死んだ後すぐに大学に進学した俺に、その直後の2人の様子は分からない。


分かるのは、4ヵ月後の夏休みに実家に帰った時、2人はまだ誰とも口を利かないような状態だったってこと。


カッシーの家に行っても志月の家に様子を見に行っても、2人共俺とでさえ口を利いてくれない状態だった。


あいつらが今みたいに言葉を交わすようになったのは何がきっかけだったのか、何があったのか、俺はやっぱり何も知らない。


気づいた時にはもう既に、2人は昔のように言葉を交わすようになっていた。


そんな2人を最初に見たのはいつだっけ?


そうだ、陽菜が死んで1年が経つ目前の冬休みだ。


久しぶりに会ったあいつらは、口を利いてくれない夏休みの時とは違った。


いや、厳密に言うと志月だけが違ったんだ。


カッシーの家に様子を見に行ったとき、そこには志月がいた。


夏休みには1人きりで家に閉じこもっていたあいつらが、冬休みにはちゃんと2人でいた。


どうしてそうなったのか、何があったのか、それはやっぱり分からないけど。


助け合うと言うよりも寄り添い合うように一緒にいる2人を見て、俺はどれだけ安堵したことか……