やがて春が来るまでの、僕らの話。



「私ね、嬉しかったんだ。……柏木くんと若瀬くんがちゃんと生きててくれて、嬉しかった…」

「、」



前までは敢えて避けていたであろう2人の話し。

あいつらと再会することができてから、彼女の口から2人の名前をよく聞く気がする。


ハナエちゃんの中にいるあいつらの存在は、きっと俺の存在なんかよりもずっとずっと大きい。

俺の存在なんて、あいつらに比べたらどれだけ小さいものなんだろうなって……

比べたって意味のないことだってわかってんのに、今日の俺はなんでかいつもよりも心が狭い。



「陽菜がいなくなってからも、2人はちゃんと大学に行って卒業して、ちゃんと自分の人生を生きていたんだなって」

「……」

「それがわかって、嬉しかった」




陽菜が死んでからの、



あいつらの人生……