やがて春が来るまでの、僕らの話。


【倉田side】



ハナエちゃんの仕事が終わってみんなで店を出た後、これから飲み直すって言って妙に愉快に歩いてったカッシーとみっちゃんを見送った。

夜の街に消えて行く2人が見えなくなったあと、隣にいるハナエちゃんに目を向ける。


「ごめんね、疲れてるのに」

「大丈夫だよ。律くんだって仕事帰りで疲れてるでしょ?」

「うん、まぁ、そっか」


夜中なのに賑わう街の中で、これから2人だけの時間が始まるのかと思うと妙にソワソワする。

ずっと一緒に住んでたくせに、改めてこんな風に2人になると落ち着かない。



「どこか行く?」

「うん、や、うーん……」

「うん?」


どっか店に入ることも考えたけど、お酒を飲むのは避けたいパターンだ。

だって下手したら、前みたいに記憶に残らない告白をしてしまう恐れがあるから。