「俺、考えたんだけどさ。過去を一緒に過ごしてきた俺らより、あのとき傍にいなかった誰かのほうが、ハナエちゃんには合ってるんじゃないかって」
「……」
「俺だと、悲しいことを常に思い出しちゃうんじゃないかって」
こんなことを思う時点で逃げてんのかもしんない。
だけどあの町で起きた悲しい記憶に、未だに囚われてるのはハナエちゃんだけじゃない。
それは俺らだって、同じだから。
ハナエちゃんが俺らといてなにかを思いだすように、俺やカッシーだってこうやって一緒にいることで、あの時のことを思いだしてしまう瞬間は数多くある。
それが彼女にとって、俺らにとってプラスのことなのかって考えたとき、その答えがすぐに出てこない時点で、きっとプラスのことなんかじゃないから。
こいつらをもう1度引き合わせたのは俺だし、だからこそ7年間のわだかまりが解けたのも事実だけど。
だからと言ってあの時の傷が癒えるわけでもなく、
多分それぞれの胸の痛みは、誰もなんにも変わってないまま。
結局俺たちがこんな風に集まったところで、思いだす回数が増えて余計悲しくなってしまうだけなんじゃないかって、
最近は、そんなことばかりを考えてしまう……


