やがて春が来るまでの、僕らの話。




「ん……朝?」



部屋の中の時計を見ると、午前10時を回ったところだ。



「……あれ?」



住み慣れているからなんの違和感もなく起きたけど、ここが律くんの家ということに数秒を経て気付いた。


私、引っ越したよね?

どうしてここにいるんだっけ。



「あ、飲み会」



そうだ、武田さんに偶然会って、確かここで飲み会をして、すごい酔っ払ってみっちゃんに話を聞いてもらって。


それで……


それで、寝た、の?


え、なに、人の家のベッド、私1人で占領しちゃったの!?



「……記憶障害」



どうしてここで寝てるのか、思い出そうとしても全然思い出せない。

あやふやなままの頭を連れて、とりあえずリビングへ向かった。