やがて春が来るまでの、僕らの話。




酔っ払っているからなのか、それとも本心なのか、俺には分からない。


分からなくて、でも嬉しくて。



抑えられない想いが、一瞬で胸一杯に広がってしまった……




「ハナエちゃん」




彼女の顔の横にある手を、気づけば握っていた。


酔って熱を持つ熱い手。


俺よりも小さな白い手。


何度も何度もこのベッドで朝を迎えて、隣にはいつも彼女がいた。


今みたいに眠る彼女を、本当は何度も抱きしめたかった。


朝が来る度、夜になる度、いつも葛藤が始まって、その想いは満たされることもなく今日の日にまでなってしまった。


この手を握りたくて、この体に触れたくて、俺に触れて欲しくて……




「……ハナエちゃん」




その手をギュッと握ったからか、



想いは今、




溢れだした……






「…………好きだよ」






呟いて、


この家で2度目の、キスをした。