やがて春が来るまでの、僕らの話。




「そういうい嫌がらせやいじめって本当に酷よね、人間のすることとは思えない。だけどきっと、残念なことにいじめのない世界なんてものはありえないのよ」

「……」

「だってこんなに世界は広いのに、みんなが仲良く妬みも嫉妬もなくて、そんなうわべだけの世界、きっと無理だと思うもの」



きっとみっちゃんは、私なんかよりよっぽどひどいことをされてきたんだ。

彼女の目を見れば、そんなのすぐに分かった。



「でもね、どんなに辛くてもどんなに悲しくてもね、必ず、誰にだって必ず居場所があるはずなの」

「……」

「今は見つからなくても、いつか必ず見つかる。だってこんなに世界は広いんだもの」

「、……」

「だから今は辛くても、希望は捨てずに大事に取っておいたほうがいいわよ」



世界は広いからいじめはなくならない。


でも、世界は広いから必ず居場所がある。


矛盾しているようなこの2つの言葉に、また涙が流れた。



「こんな私でもこんなに夢中になれる美容師って仕事に巡り合えた。だけどきっとあの頃の私には、こんな素敵な未来、想像もできなかった」

「……」