やがて春が来るまでの、僕らの話。



「もーう、しょうがないわねぇ」


だけど次に聞こえたその声は、私の真横から聞こえてきた。

みっちゃんが、すぐ隣に座ってくれている。


それはきっと、私の話しを聞く体勢を取ってくれているってこと……



「私みたいな人間はね、こう見えて人生経験豊富なの。だから話すなら今がチャンスよ」

「う"……みっぢゃん……」

「ほらぁ、早く話しなさいよぉ」



みっちゃんの好意に甘えて、酔っ払いで泣きながら、私は必死に話した。


あの店で靴がなくなったこと。

昔、同じような経験をしたこと。


全部を吐きだす様に話した……




「そう、そんなことがあったの」

「うん……」


みっちゃんは私の話しを黙って聞いてくれたあと、最後にもう1度ため息を吐いた。


「分かるわよ、あんたの気持ち」

「え?」

「私もこんなんだから、昔はよくいじめられたし気持ち悪がられたりもした」

「……」


そう話すみっちゃんが、私なんかよりもよっぽどキレイな目をしていることに、今更気づいた。