「律くんにはお世話になりっぱなしで、申し訳ないな」
「なに、急に」
「だって何から何まで面倒見てもらって……柏木くんたちのことだって、律くんがいなかったらきっと一生避け続けてたから」
こんな風にみんなと再会して、こんな風に一緒にお酒を飲めるようになったのは、どう考えても律くんのおかげだから。
「すごく感謝してるのに、お礼の方法が見つからない」
どんなお礼をしたってきっと全然足りなくて、どんなお礼の言葉を伝えても伝えきれない。
「じゃあ今度ラーメン奢ってよ」
「ラーメン?」
「今までのお礼にラーメン奢って」
「ラーメン……」
「僕はそれで十分満足なのです」
「……」
「なんてね」
「ふふっ」
ほら、やっぱり優しい。
「でもほんと、お礼なんていらないよ。むしろ感謝してるのはこっちだし」
「え?」
「あいつらもさ、ハナエちゃんに会えないままだったらきっと一生胸ん中のしこりが消えずにいたと思うから。だから感謝してる。俺と、あいつらとまたこうやって会ってくれてありがとうって」
「、……」
見つめる先に見える優しさに、私はどれだけ救われてきたんだろう。
この人と出会えたことを、心の底から神様に感謝した……


