やがて春が来るまでの、僕らの話。





それから約15分後、タクシーは律くんの家に到着した。




「で、なんでいんの?」


柏木くんの鋭い視線が彼に向いている。

いや、彼女に向いている。


「えぇ~?だってぇ、私がいないとヒデトが寂しいかなぁってぇ」


ピタッと寄り添ったみっちゃんは、そのまま柏木くんの腕に自分の腕を絡めた。


「朝から仕事ならとっとと帰れや!ついでに下の名前で呼ぶな!」

「いやぁ~ん、ツンデレぇ~」

「え、デレの部分あった?」

「みっちゃん的にはあったんじゃない」

「あー、まじウケんなぁこの2人」

「はは、気に入ってるね南波くん」


いい感じに盛り上がっている部屋の中は、お酒と食べ物の匂いが充満していて相当臭い。



「律くんコップー、コップどこー」


キッチンから、杉内くんが叫んでいる。


「え、なにー?」

「コップー!」

「あ、私出すよ、杉内くん座ってて」

「ほんとー?あんがとー」