やがて春が来るまでの、僕らの話。



「その後、高校までは親戚の家で育って、卒業してからはずっとフラフラしてて……」

「フラフラ……?」


体を売っていたという事実をどう伝えればいいのか、それとも伝えるべきではないのか、ハナエちゃんは顔を伏せた。



「私、男の人に、」

「それで俺と会ったんだ!杉内の店で」


彼女の口から言わせるのはあまりにも酷な気がした。

こんなとこで伝えるべきではない、そう思った。



「フラフラしてたハナエちゃんと偶然再会したのが4ヶ月前、それから今に至るわけ」


少し焦るように言った俺の言葉に、志月はため息を吐いた。


「……そっか」


納得するような声の後、今度はカッシーが口を開く。


「あの後……」

「……」

「陽菜が死んで律くんが卒業してお前がいなくなって、俺達が高2になってから」

「……うん」

「俺らがどんな風に生きてきたか、お前わかる?」

「え……?」

「陽菜が死んでハナエが消えて大事なもんが突然2人もいなくなって、……なのにクラスの奴ら、なんも気にせず笑ってんだよ。俺達だけ取り残すみたいに、あいつら普通に笑ってんだよ」

「っ……」