「……じゃあ、行ってくる」
ごめんなさい。
こんなに親切にしてもらってるのに距離を置きたいなんて。
でも心が、気持ちが追いつかない。
今先輩の傍にいると、色んなことを思い出して、どうしようもなく苦しくなってしまう……
「15分ぐらいで戻ってくるよ、きっと」
「え?」
行ってしまった2人を目で追いながら、隣の南波くんはまたポツリと呟いた。
「それまでに気持ち、落ち着きそ?」
「……」
もしかして南波くん、気づいてた?
先輩と少しの時間だけでも距離を置きたいって私の気持ちに、気づいてた?
だけどまったく興味がないように、あぐらをかいてスケッチブックに絵を描いている。
不思議な人……
「自殺だったの?」
胸が痛むのなんて忘れて、ただ驚いた。
だって気づいていても普通は避けるような言葉を、こんなにもサラっと。


