やがて春が来るまでの、僕らの話。




「陽菜が死んだのはハナエちゃんのせいじゃない」

「……」

「アイツが自分で選んだ道だ。誰のせいでもない」



人通りが多いアーケードの下。

土曜日の騒がしい午後に似つかわしくない会話が続いていく。



誰のせいでもない。

分かってる。

先輩の言いたいことはわかってる。

だけど私は、どうしてもそんな風には思えない。


私がおかしいの?

どうしても自分のせいだって、そう思ってしまう……




「喉渇いたな」



一連のやりとりに興味がないのか、南波くんは歩く人の波をボーっと見ながら呟いた。


その声に、「俺、なんか買ってくるよ」と返したのは杉内くんだ。


「じゃあ向こうのカフェのコーヒーがいい。律くんも杉内くんと行ってきなよ」

「え、でも」

「…、私、ホットココアお願いしますっ」



今先輩といると、どうしても過去のことを思い出してしまう。


少しの間だけでいい。

ほんの少しだけ、離れていたい……