やがて春が来るまでの、僕らの話。


【ハナエside】



「雪だるま……」




───“ね、今度作ろうよ、すっごいおっきいのみんなで!”

───“作ろう作ろう、超特大雪だるま!”

───“もー、しゃーないねぇ”




あの頃は楽しかった。


みんながいてくれて、楽しかった……



「ハナエちゃん?」

「……」




ここにみんなはいない。

陽菜はもう、どこにもいない。



陽菜は……




───“私と親友でいたいなら、他の女子と口利かないで”

───“………もういい”



あの日、そう言って陽菜の手を離したのは私。


陽菜を殺したのは……




───“…大丈夫、お前はなんにも悪くない”

───“子供だったお前に、できることなんて何もなかったんだから”



違うよ、柏木くん。


子供の私にだって、何か出来ることはあったはず。



───“やっぱりハナエには、何にも辛いことなく笑っててほしいから”

───“ずっと、笑っててほしい…”



ダメだよ、若瀬くん。

私はもう、笑うことなんて出来ないよ。


だって陽菜が死んだのは私のせい。

どうしたって、私のせいだから……