やがて春が来るまでの、僕らの話。




「律くん、絵下手なの?」


興味津々なハナエちゃんの眼差しが、俺に向かう。


「下手じゃない」

「じゃあ描いてみてよ」

「ちょ、杉内さっきから余計なこと、」

「見たい見たい!」

「……。」


仕方なく、スケッチブックを借りて絵を描きだす。

必死にペンを進めるも、曲線が思うようにいかない。

でもこれはこれで味があるいい絵に見える。



そして数分後……

自分なりに精一杯描いた絵は、無事完成した。



「披露!」



ジャーン!と言わんばかりにスケッチブックを見せつけた。……ら。



「「「………………」」」



なが~~~い、沈黙。

あれ、おかしいな。


「しろくま?」

「は、どう見ても雪だるまだろ!」

「うっそ、まじで!?」

「12月といえば雪だるま!」

「はは、あはは、」

「南波くん笑いすぎ!」






気づかなかったんだ。

こんな些細なことが、彼女の心を痛めるなんて……