やがて春が来るまでの、僕らの話。



「あっれー、律くんにハナエちゃん、やっほー!」


南波くんに会いに来たのに、なぜいる杉内。


「なんでいんの、杉内」

「なんでって、仕事の時間まで暇だからさー」

「もう2時間ぐらいいるよね?」

「いすぎだろ」


杉内が働く店の裏にあるアーケードの下で、絵を描く商売をしている男。

この人が南波くん、だよね?


「なに、律くんとハナエちゃん2人遊んでんの?ちょっとちょっとー、俺も誘ってよ!」

「えー、じゃあ俺も誘ってよ」

「なんでだよ」

「親友じゃん!」

「じゃあ俺も親友じゃん」

「いや南波くん、俺の名前知ってる?」

「ん?まぁそんな話しはどうでもいいじゃん、取り合えず座れよ」


適当に話しを変えた南波くんは、どこからか出した薄っぺらい座布団に、俺達全員を座らせた。


「じゃあ紹介するね。俺の友達の倉田律くん。で、こっちが昨日友達になった南波栄太くん。歳は律くんの1個上かな」

「え、昨日?」

「そう、ハナエちゃんのおみくじ探すの手伝ってたみたい。ね?」