やがて春が来るまでの、僕らの話。




「大丈夫、丁度いいよ」


やっと感想を貰えて、前のめりの体は元に戻るように床に座り込んでいく。

良かった、居候の分際でコーヒーもろくに淹れられないとか、最悪な展開は免れた。


よかった……


「ねぇ、そんな堅苦しく考えないでいいからね?」

「え?」

「もっと伸び伸びとさ、俺に気遣わないでいいから」


気を遣わないって……それは物凄く難しい気がする。


「じゃあさ、まずは敬語やめようよ」

「敬語?」

「もう学校じゃないんだし、先輩でも後輩でもない。だから敬語は禁止」

「でもそんな急には」

「徐々にでいいから、堅っ苦しい敬語はなしで。そのほうがここに住みやすくなるだろうし」

「…がんばってみます」


早速敬語になってるけど、先輩はそんな私を見て笑ってる。

出来るかな、敬語禁止なんて……