その一粒に、どれだけの痛みが詰まっているのか。
遠い昔の父親のこと。
陽菜の死。
そして母親の死。
子供だった彼女が、たった一人で背負ってきた傷。
あまりにも痛々しすぎて、肩を抱き寄せずにはいられなかった。
抱き寄せた体は、どうしてか高校の時よりも小さく感じた……
「うっ……ひっ……」
放っておけばいいだけの話だった。
男に体を売る女なんて、本当は関わりたくないのが正直な気持ち。
だけどあの頃、純粋な顔で笑う妹みたいな存在の彼女を、どうしたって放っておけるわけがなくて。
再び出会えたことに意味があるのなら、それは彼女を助けること。
そうとしか考えられなくて。
奇跡みたいなこの偶然の再会を、一瞬の偶然で終わらせないために。
……想像以上であろう、その胸の痛み。
一緒に溺れてしまえるなら、今はそれも構わないとさえ思う。
陽菜の傷にも、あいつらの傷にも、ハナエちゃんの傷にも。
深すぎるみんなの傷に、
一緒に溺れてしまえるのなら……


