やがて春が来るまでの、僕らの話。









しばらく二人で話した後、俺たちはカウンターに戻った。

戻ってすぐ、なぜか俺は杉内に呼ばれて。

呼ばれるまま連れられて来たのは、店の入り口付近の全然人けのないところだ。


「なに?つーか仕事いいの?」

「いや、あのさ、一応報告っつーか」

「うん?」

「余計なお世話かもしんないけど」

「うん、なに?」


バーテン姿の杉内は、腰に片手を置き目を背けながら首を掻いた。


「ハナエちゃん、さ」

「うん」

「昨日、なんつーか」


いつまでも言わない杉内に、若干イラついてくる。

だけど次に聞こえた言葉に、俺のイラつきは全て吹っ飛ぶことになる。



「ハナエちゃん、男の人にお金貰ってホテル行こうとしてたの」


「……」



杉内の声に、一瞬の沈黙。



「…は?」

「いやだから、つまりあれだよ、体を売ってるってやつ」

「なにそれ」

「詳しくは知らないけど、いつもやってるっぽいよ。多分男の人にお金貰って生活してるんじゃないかな?ほら、最近そういう子多いんでしょ?家もなくて満喫とかに住む、みたいな」

「………」