やがて春が来るまでの、僕らの話。


【倉田side】




「久しぶり、だね」


目の前に座るハナエちゃんは、ずっと俯いたまま顔を上げない。

つーか未だに半信半疑なんだけど、本当にハナエちゃん、だよな?


「なんか感じ変わったね」


高校生の時の印象は、普通のどこにでもいる女の子って感じだったけど。

今目の前にいるのは、少し派手な見た目の女の子。

まぁ七年も経ってるんだから、変わってて当たり前なんだろうけど。


「……先輩は変わらないですね」

「そう?」

「変わらない、あの頃のまま……」


あの頃。

俺たちが高校生の頃。


彼女の目に俺がどんな風に映っていたのかは分からないけど、「変わらない」そう言うハナエちゃんの目は、とても辛そうだった。


「いつからこっちにいるの?」


少し緊張して乾いた喉を、目の前にある水で潤したあとに聞く。


「……先輩が高校卒業してすぐ、こっちに越して来ました」

「え、すぐって?」

「もう七年、この街に住んでます……」


え、じゃあ俺が大学でこっちに来るのと同時に、ハナエちゃんも来てたってこと?

そんなに長い間?