やがて春が来るまでの、僕らの話。




「…………」



まるで時間が止まったように、私たちは動けなかった。



だってなにこれ。


なんで、……



「……ハナエちゃん?」

「、…」



七年振りに、先輩に呼ばれた名前。

呼ばれた瞬間、その声に、その表情に、走馬灯のように蘇ってくる。

まるであの頃に戻ったように、鮮明に蘇ってくる……



───“……なんだよ自殺って”

───“ここまで生きてきといて今更死ぬのかよ!”




無理だと思った。

これ以上この人のそばにいることは、過去を思い出して耐えられないと思った。

だから鞄と上着を持って、逃げるように倉田先輩の横を通り過ぎる。


「待って!」


はずだったのに……

背を向けたまま、私の足は止まった。