やがて春が来るまでの、僕らの話。




「よかった…、ほんと…よか、」



おみくじをぎゅっとしたまましゃがみ込んだ。


よかった。


本当によかった。



陽菜。


陽菜のおみくじが戻ってきたよ。


本当に本当に本当に、


ほんっとうによかった……



「ね、キセキ、あったでしょ?」


ふふって笑った南波栄太に、全身の力が抜けるような感覚がした。




キセキは、


本当にあった……



「そんなに大事な物だったんだね」


そうだ、この人が拾ってくれたんだ。

捨てずに取っておいてくれたなんて、杉内幸一郎はいい人確定だ。


「……ありがとう、ございました」


私は二人に向けて頭を下げた。

この二人のお陰で、命より大切な物が戻ってきたから。


こんなの、感謝しても足りないよ……


「うん、じゃあ取りあえず二人共座ってよ。なんか作るから」

「お、そういや腹減ったな」


南波くんが座ったから、私も昨日と同じ場所に座り込む。