やがて春が来るまでの、僕らの話。




「…、ない」



全然見つからない。

歩道の端から端まで探してみても、似たような紙切れを拾ってみても。

お昼に食べたファストフード店の店員さんに聞いても、ソファーまでずらしてもらっても。


乗った地下鉄も隅から隅まで探したし、駅員さんにも尋ねたし、

ベンチの下だって覗いて探して、自販機の下だって目を凝らして探した。


だけどダメ。

全然ダメ、見つからない。



「、…」


時刻は午後三時を過ぎていた。

もうすぐ夕方になりそうな空の色。

もう何時間も、こんなに探してるのに見つからない。



「……当たり前か」


おみくじなんて、見つからなくて当前だ。

あんなに小さな紙切れ、落ちていたところで落し物だなんて思われない。

誰かが拾って届けてくれるなんてありえないし、きっと踏まれて泥だらけになってボロボロに破けるのがオチだ。


でもどうしよう。


陽菜に貰った大吉なのに……