やがて春が来るまでの、僕らの話。




律くんは時々、物凄く悲しげな顔をする。

しっかりしてるのにノリが良くて、一緒にバカできる友達だけど。

きっと律くんには、俺には言えない闇がある。

時々感じるその雰囲気に、俺はいつも歯痒さを感じるんだ。


そういえば少し似てるかも。

律くんが持つ闇の雰囲気。


さっきまでいたあの子が持ってる雰囲気に、


少しだけ、似てる気がした……



「あれ、なんか落ちてる」

「え?」


律くんの手の中に、小さな紙切れが見えた。


「おみくじ?」

「ほんとだ、しかも大吉」

「でもなんか、随分古い感じだね」

「落とし物かな」

「さっきいた子のかもしれないから、一応店で預かっとこうかな」



こうしてそのおみくじは、俺の手へと移った……