やがて春が来るまでの、僕らの話。




その音は、陽菜の死を知らせる音だった。

静かな部屋に響く単音が、無性に大きく聞こえる。


誰か消してよ、この音。

だってこんなの、聞きたくない。


ねぇ、お願い……





陽菜の死を告げたあと、医師は静かに頭を下げて出て行った。


病室内に残されたのは、たった四人の子供たち……



「………」



陽菜?


ねぇ、陽菜?



ガタ……


涙を流すことなく、腰が抜けるように床に座り込んだのは、倉田先輩。


一歩、二歩後ろに下がって、そのまま固まってしまったのは若瀬くん。


柏木くんはベッドの布団をぎゅぅっと握った後、崩れる様に膝から落ちた。





静かすぎるこの部屋で、私たちは涙を流すことすら忘れてしまった。






陽菜が死んだ。





自殺だった。





陽菜の両親は、病院にすら来ていなかった……