やがて春が来るまでの、僕らの話。




これは夢?


それとも現実?


どっちなのかすらわからない。



「なんだよ、自殺って……」



若瀬くんの声が、震えてる。


ねぇ、どうして陽菜は動かないの?


どうして目を開けないの?




「…………死ぬのかよ」




柏木くんが、凍り付いたような声で呟いたあと……


身を乗り出して、陽菜に叫んだ。




「ここまで生きてきといて、今更死ぬのかよっ───!」





死ぬ?


陽菜、死ぬの?


このまま死んでしまうの?


だって私、陽菜とこれからどんな風に接していこうって、さっきまで考えていたんだよ。


ついさっきまで、ほんとにさっきまで考えていたんだよ。



ねぇ陽菜、死んじゃ嫌だよ。


ねぇお願い、死なないで。



ピピピ、ピピピピ



「陽菜っ、!」



無機質だった音がリズムを変え、容態の急変を知らせた。

忙しなく鳴り続けるその音が、私たちを更に深い恐怖へ連れて行く。


駆けつけた医師の背中越しに、私は茫然と立ち尽くすしか出来なくて……

足がガクガク震えて、立っているのがやっとだった。



怖い。


頭の中が恐怖で埋め尽くされていく。



陽菜。


逝かないで。


一生傍にいるから。


一生親友でいるから。


全部受け止めるから。


私の人生、全部陽菜にあげるから。



だからお願い。


死なな、




ピーーーーーーー