やがて春が来るまでの、僕らの話。





その知らせは突然だった。



『陽菜が……』



夜、突然飛び込んできた若瀬くんからのその電話に、私は上着も忘れてスウェットのまま家を飛び出た。








ピッピッピッピ…


病室の中に無機質な機械の音が響く。

どこか冷たいようなその音に包まれて、私たちはベッドに眠る陽菜を囲んだ。


今、なにが起きているのか分からない。

理解が出来ない。



「………陽菜?」



今日確かに、陽菜は学校にいた。


一緒に体育をして、だるいねぇ~って言い合って。


言い合って……


なのに、なんで?


どうして今、こんな所にいるの…?



ピッピッピッピ…


機械の管に繋がれている陽菜の体は懸命に心臓を動かしていて、生きようと頑張っているように見える。

だけど動かない陽菜の体が怖くて、触れることも出来ない。



「……冗談だろ」



呟いた倉田先輩の声に、怖くて体が震えた。

怖すぎて涙も出てこない。