やがて春が来るまでの、僕らの話。




「お前にだって元々でっかい傷があんだから、無理するとほんとに陽菜と共倒れになるかもしれない」

「うん…」

「やっぱりハナエには、何にも辛いことなく笑っててほしいから」

「……うん」

「ずっと、笑っててほしい…」








ねぇ若瀬くん。


初めて手を繋いだこの日を覚えていますか?


三月の寒空の下、私たちは手を繋いだね。


幼かった私たちの、幼い思い出。


今でもまだ、夢を見る。


あの町で、みんなで笑っている夢。


柏木くんがいて、若瀬くんがいて、倉田先輩がいて、陽菜がいて。


大きな雪だるまを作る夢。



ねぇ、この日。


初めて若瀬くんと手を繋いだこの日。


今でも鮮明に覚えている。




だってこの日が、





陽菜の命日だったから……