「露出すればするほどバカに見えるってこと知らないの?お前はただでさえバカに見えるのに」




何とか辞めさせたくてそんなダサいこと言ったけど、瑛茉は鈍感だからきっと俺の発言の意味には気づかないだろう。




現に、目を丸くしたまま止まってる。




「伊吹のバカ!ほんとにデリカシーないんだから!なんでモテるのか理解できない」



「うっせ」




何人にモテようが、お前にモテなきゃ意味が無いのに。




こんなに分かりやすくアピールしてるのに、気づかないこいつの鈍さには呆れてる。




「バカ瑛茉」


「いきなり何!?ひどくない!?」




春休みだけど、毎日会いに来てくれるのは嬉しい。


むしろ、瑛茉から連絡がなければ何かと理由をつけて呼び出しているのは俺の方。




( ── まぁ、俺の片想いだけど)