「ねえ、伊吹。約束して?」


「…なに?」




伊吹に駅まで送ってもらって、改札の前で私は伊吹に向き直った。




「浮気は絶対しちゃだめだよ」



なんて言うと、拍子抜けしたように少し間を開けて。


「…俺がすると思う?」



するわけない。知ってるよ。




「声が聞きたくなったら電話してもいい?」


「聞きたくなくても電話しろ。俺からもするから」




分かってはいたけど、伊吹となら遠距離だろうがなんだろうが乗り越えて行けるって確信が持てた。




「ねぇ、伊吹」


「なに」


「大好き」


「…俺もだよ」



今度はちゃんと言ってくれたね?なんてね。