君だけが、ずっと好き。

「──前行こうよ、前!1番近いところで見たい!」


「は?絶対濡れると思うんだけど」


「えー、大丈夫だって!行こ!」




一通り館内をまわって、私たちはイルカショーを見に野外ステージへ。



小さい頃にしか水族館に行ったことがない私はイルカショーの迫力を全く覚えてなくって。




バシャーン!!!!




「──だから言ったろ、濡れるって」


「こんなに酷いと思わないじゃん!?」




1番前に座って案の定服も髪も水浸しになりましたとさ。




「あははは、伊吹よびっしょびしょ」


「あほ、寒いんだけど」


「私も〜」




服についた水を払って、ぱっと顔を上げると伊吹と目が合った。




「「…ふっ」」




同時に吹き出して、冷たいとか寒いとかどうでもよくなってきた。