「──はぁ…」




ザワザワと賑わうグラウンド。


楽しそうに笑う人達。




そんな文化祭ムードの校内、人混みから離れたベンチに1人座っているのなんか俺くらいだった。



完全に景色から浮いているのは気づいている。




もともと文化祭だ祭りだなんてキャラでもないけど、瑛茉が横にいないだけでここまで浮くのか。




『瑛茉ちゃん、もしかして前髪切った?』

『髪の毛巻いてるでしょ?いいじゃん、超似合う。』




俺が口に出来そうもないセリフをつらつら言うあのくるくるパーマ。


前髪の変化なんて気づきもしなかった。




瑛茉に触れるあいつにもムカつくし、自分にもムカつく。