君だけが、ずっと好き。

弁護士のお父さん、ラブラブすぎて出張について行っちゃうお母さん、そして結婚して家を出てるお姉さん。


伊吹が家に1人になることは珍しいことじゃない。




「あつ…」




脱衣場に用意された伊吹の大きなTシャツに袖を通した時だった。



ゴロゴロゴロ!!


「ひっ」




窓の外がピカっと光った。




(やだやだやだ、雷!?)




「瑛茉?大丈夫か?」




ドアの向こうから伊吹の声。


私が雷が苦手なことを知ってるから心配してくれたんだ。




カチャ

「大丈夫…ありがとう」




着替えを終えた私は両手で耳を塞いだまま伊吹の元へ戻る。


…さすがに笑われたけど。




そんな私の髪を伊吹は優しく乾かしてくれて、ドライヤーの音で聞こえないうちに雷は収まっていた。



「──冷蔵庫に作り置き置いてあるから、おじさんとおばさんに良かったら食べてねって言っといてね!まぁおばさんにはLIMEしとくけど」




私は洗い終わったお皿を拭きながら、ソファに座る伊吹に声をかけた。



(反応無い…眠いのかな?)