君だけが、ずっと好き。

「行ってきます」




制服から薄い部屋着に着替えて再び家を出る。




雨は音を立てて強く降ってるけど、伊吹が待ってるから仕方ないよね。


私は覚悟を決めて傘をさして外に飛び出した。




「冷たっ」




ナナメ降りの冷たい雨は傘1本じゃろくに防げなくって、容赦なく私を濡らした。


(伊吹の家が遠く感じるよ…!)




ピンポーン

── ガチャ


「…何でそんなに濡れてんの、傘は?」


「さしてきたんだけど、ナナメに降ってたせいで結構濡れちゃった…」




私を迎え入れた伊吹は呆れ顔でバスタオルを持ってきてくれた。




「…風呂、入りなよ。湧いてるから。風邪ひくだろ」