「…ねぇ、あんたらのその重た〜い空気、いい加減どうにかならない訳?倦怠期のカップルかなにかなの?」


「いつもと何も変わらないよ…」


「よく言うわ!ここ1、2週間ずっとあんたら調子おかしいでしょうが!」


「おかしいって…一緒に来て一緒に帰ってるよ」


「喋ってないくせに?」




否定できない。

私は由紀の言うようにここ最近伊吹と話せていなかった。




── 6月に入り、大雨が降っている今日、私は由紀に連行されてファストフード店に来ていた。



“ 話聞かせろ ” 。その一言だけ言われ、伊吹と侑利くんは置いて帰ってきた。


取り調べを受けるのは伊吹ではなく私らしい。