「奏斗 お腹空かない?ここの ラウンジって 最高よ。何か 食べてこようよ。」

2人で 恥ずかしいくらい 泣いた後で

私は 照れた顔で 奏斗に言った。


「それ 教えたの 俺だから。あっ 葉月。その前に 買い物 付き合って。俺 着替え 一つもないんだ。」

「えー。アフタヌーンティー 終わっちゃうよ?」

「ケーキ 食べたいの?可愛いな 葉月。じゃ ラウンジ行ってから 買い物しようか?」

「うん。奏斗 昨日から 着替えてないの?」

「そうだよ。シャワーもしてないし。」

「キャッ!匂うよ?」

「マジで?」

「嘘だよ。もしかして お昼 食べてない?」

「うん。機内食以来 何も食べてないよ。なんか 急に 腹へったなぁ。」

「奏斗…ゴメンね。心配かけて。」

「やめろよ。また 泣きそうになるだろう。」


部屋を出て 今度は 私から 奏斗の手を握る。


ラウンジから 見た空は 

さっきまでの雨が 嘘のように 明るく 晴れていて。


アフタヌーンティーなのに サンドイッチやスコーンを

バクバク食べる 奏斗を 笑って見つめる私。


私達も 空と同じだね…

2人 泣いた後の笑顔は 

眩しいくらい 明るかった。