「ゴメン 葉月。今日の俺 最悪だ… 超カッコ悪いなぁ。」

奏斗が 落ち着くまで 

そっと 背中を撫でていた 私。


顔を上げた 奏斗は 恥ずかしそうに 私を見た。

「ううん。ちょっと 変な気持ち…」

「んっ?」

「何か 奏斗が 今までよりも 身近で 愛おしい…」


「葉月。」

そう言って 奏斗は 私を 抱き締めた。

その途端 私は 素直な気持ちが 溢れて。


カンナさんを助ける 奏斗への 

嫉妬、悔しさ、憤り。


でも 奏斗を 嫌いになれなくて。


何度も 期待して 信じてしまう 自分の

弱さ、未練、情けなさ。


この三日間の 不安や 心細さ。


さっきの奏斗よりも 激しく 

私も 声を上げて 泣いてしまう。


「ごめんな 葉月。本当に ゴメン。」

奏斗も 私が 泣き止むまで

そっと 背中を 撫でていてくれた。