2人で コーヒーを持って

並んで ソファに座って。

奏斗は 私の肩を ずっと抱いている。


「あのね。私達 日本に帰ったら 別れよう。」

コーヒーを 一口飲んで 私は言う。

「嫌だ。絶対に 別れない。」

奏斗は 私を 抱き締める。


「奏斗は 絶対に カンナさんを 切れないでしょ?私…もう無理。」

「カンナとは もう二度と会わない。電話にも出ない。約束する。俺 決めたから。そのことを ちゃんとカンナにも 話すから。」

「奏斗 そう言っていても カンナさんから 呼ばれると 行くじゃない?無理よ。奏斗が カンナさんを 切り離すことなんて できっこないわ。」

「いや できる。俺が大事なのは 葉月だから。葉月がいないなんて 無理だ…だから もう絶対 カンナとは 会わない。」

「いいわよ。そんなこと…私と別れて カンナさんと よりを戻せばいいじゃない?そうすれば 誰にも 気を使わないで カンナさんを 助けてあげられるのよ?それでいいじゃない。」

「カンナと よりを戻すことなんか 絶対ないから。」

「カンナさんは 奏斗と やり直したいって 思っているでしょう?」

「でも 俺は 無理なんだ。」

奏斗は コーヒーを ゴクッと飲んで 


「葉月。聞いてくれるか?俺とカンナのこと…」

と真剣な目で 私を見た。


私も 同じくらい 真剣な目で

奏斗に 頷いた。