大学を卒業して 設計事務所に 就職した私。 


奏斗は 取り引きのある 測量事務所の 土地家屋調査士。

私の職場に ちょくちょく 出入りしていた。


大学で 建築を専攻したけれど

実務と勉強は 全然違う。


戸惑いながら 必死で 仕事を覚える毎日。


顔を合わせると 奏斗は

「どお?仕事は 慣れた?」

と明るく 声をかけてくれた。


「いえ…みんなに 迷惑かけてばかりです。」

私が 控え目に答えると

「最初は みんなそうだから。気にしなくて 大丈夫だよ。頑張ってね。」

そんな風に 励ましてくれた。


事務所は 40代の所長と 20数名のスタッフで。

みんな 親切だけど 過度に干渉しなくて。

とても 働きやすい職場だった。


一生懸命 仕事を 覚えようとする私を

みんなは 真剣に サポートしてくれて。


徐々に 仕事を覚えていく私を

好意的に 見守っていてくれた。


就職して 4年。

仕事は すごく 順調なのに…