多分 所長は 奏斗に伝えるだろう。

私が クアラルンプールに いることを 知って

奏斗は どんな風に 思うのかな…


さっきまでは 奏斗と 別れるつもりだったけど。

もう 奏斗と 別れても 平気だと 思ったけど。


私達のことを 知っている人と 繋がると

奏斗への 気持ちが 揺らいでしまう。


私と奏斗が 付き合っていることは 

事務所のみんなが 知っているから。


奏斗は 付き合い始めて まもなく

私達のことを みんなに 公表した。


「葉月のこと 狙ってる奴 多いから。これで 安心。」

そう言う奏斗の 笑顔が 私は 嬉しかった。


事務所のスタッフは 20数名で。

誰も 私のことなんか 狙っていないけど。


みんなに 認められることが 嬉しかった。

奏斗も それを 望んでいることが…


奏斗とカンナさんのことを 私は

誰にも 話していなかったから。


きっと みんな 不審に思っているだろう…


少なくても 先週まで 私達は 上手くいっていたから。


日本に帰って 奏斗との 思い出だらけの職場で

私は 同じように 働けるのかな…


この際 転職しようか…実家に戻って。


海外に 逃げ出して 気晴らしをしたかったけど。

ここにいる間は 気晴らしになるけど。

結局 私は 帰らなければいけない。


あーあ…ちょっと 浅はかだったなぁ。


でも もうここに 来てしまったから。

せめて ここにいる間は 1人で 楽しもう。


私は スマホを開いて ブルーモスクを 検索し始めた。