カンナさんからは 時々 電話があったけど。

『何?俺 今 デート中なんだけど?』

そう言って 奏斗は 

早めに 電話を 切り上げていた。


「奏斗とカンナさんって 仲良いね。」

「そう?昔 少し 付き合っていたから…」


何度目かに カンナさんから 電話があった後で 奏斗は言った。


「えっ…?」

元カノってこと?

どうして 今も 連絡とってるの?


私は 聞きたかった言葉を いくつも 飲み込む。


「付き合ってたのは ずっと前だよ。高校生の時だから。今は ただの友達だから。気にしなくていいよ。」

奏斗は 少し 困った顔で 私に言う。

「うん…元カノと 今も 普通に 付き合っているの?」

「付き合うって たまに電話で 話すだけだよ。」

「へぇ…それで 平気なの?」

「別に 何でもないし。平気だよ?」

「信じられない…元カノでしょ?私は 絶対 無理。」

「葉月 気にし過ぎじゃない?何でもないんだから。」

「じゃ 奏斗は 私が 元カレと 連絡取っていても 平気?時々 近況報告したり。奏斗とのこととか 元カレに 話していても 嫌じゃない?」

「それは…まぁ いい気分じゃないけど。仕方ないよな?葉月を 信用するしか ないだろ?」

「私 別に 奏斗を 信じてないわけじゃ ないよ。ただ 感情として 嫌なだけ。」

「うん。わかった…カンナにも 言っとくよ。あまり 電話するなって。」


初めて 奏斗と 小さな 言い合いになったのは

カンナさんのことが 原因だった。