「愛莉チャン!またよろしく!」


練習、と言ってニカッと笑うしょーくん。


チャン。

すごい違和感のあるそれに、思わず笑いそうになっちゃう。



「そのちゃん付け、気持ち悪い!」


最後の最後に思いを吐き出すように叫んだ愛莉も、そのぎこちない“ちゃん付け”が気になったようで。


「愛莉ってば、はっきりいったね!」

「ハナも思わなかった?取って付けたような“チャン”」


あはははっ、と、ふたつの笑い声が、遠くの空へ響く。


夕焼けに染まった画用紙には、うっすら消えかかった虹が掛かっていた。