急に投下された「好き」を、私はどう受け取ればいいのか瞬時に把握できなくて。
ぱちぱち音が聞こえそうなくらい、まばたきしてしまう。
「ふふ、おもしろい」
「えっと、その……、あ、ありがとう?」
「うん」
満足そうに頷いたそらくんは、伏せていたスマホを手に取っていじる。
ティーカップの底が見えた頃。
私はトイレに行きたくなって、声をかける。
「そらくん、お手洗い借りていい?」
「あ、うん。こっち」
立ち上がって、案内されて、用を足して。
リビングへ戻るとそらくんはいなくて、キッチンの方からカチャカチャと流水音が聞こえた。
さっきまでこたつにあったティーカップはそこに無く、片付けてくれたみたい。
立ったままの私は、改めて、この家を見渡す。
そしてふと、思ったことを口にする。
「こんなに広いお家で、ひとりぼっちだと寂しくないの?」
水道の音が止まった。
しんとする。
「……?」
あれ?返事がないな、と思って、キッチンの方へ目をやる。

